O氏は「伊坂幸太郎って人がおもしろいよ」と教えてくれて
あー、その名前、最近聞いたなー、新聞で見たなーと思ってたんですよ。
知ってるもなにも、映画化されたこの作品の著者じゃない。

ってことで、O氏オススメ、伊坂幸太郎初挑戦。
作中に、はてなボックスがあっちこっちに置いてあります。
=伏線がいっぱい張られているってこと。
後になって「あぁ!」って気付くものもあれば、
「今ここにこれが書かれてるってことは決して無意味なわけじゃないだろうし…」
ってものもあります。けどそれで突き止められるほどの眼力を持ち合わせてはいません、私。

私は特に、響野みたいな人、いそうだなーと思いました。
あとその妻祥子。
それぞれが、ああいそうだな、って思えるキャラクター。
(実際問題、特に雪子みたいのはいるわけないんだけど。)
そう思わせられるってのがすごいと思いました。
それぞれが独立しているように思えるけど、
これらのキャラクターの産みの親は1人なわけですからね。

映画だと成瀬が大沢たかお、響野が佐藤浩市、雪子が鈴木京香、久遠が松田翔平なのかな。
私は佐藤浩市が成瀬っぽいかと思いました。
けど、佐藤浩市は、この役を引き受けたのは、最近なかったとんだ役だったからだって
なにかのインタビューに書いてありました。
たしか金髪じゃなかった?けど、響野は金髪っていうイメージではないけど(笑)

私だったらー、成瀬は誰かな?切れ長なイメージなんだよね。
響野が伊原剛か渡部篤郎かな、雪子が木村多江、久遠は小池徹平かな。
確かに名言集ですよ、リリーさん。
けだるくて、だるだるで、なのに哀しいかなうなずいてしまう自分あり、って感じ。
説得力なんてあるようでない名言の数々。
名言といえども、明日へのエナジーを求める時にはまぁ読まないほうがよいだろうか。

今日の情熱大陸はリリーさんだったね。
東京タワーはもう既に読んだけど、借りて読んだので自分で買おうかと思ってる。
本で泣いたのは東京タワーだけだよ。

こないたトップランナーの再放送でもリリーさんがやってて、
今日の情熱大陸でも同じこと言ってた。
イラストレーターなんて、言っちゃえばいいんだってなこと。
「職業はイラストレーターです。売れてませんけど。それがなにか?」
実際、そうやって生きてきてるんだね、リリーさんは。
私だって、コラムニストです。まだ本出してませんけど、なにか?

別に、リリーさんに触発されたわけじゃないんだけど、
元来私は、あっちこっちに線を引きすぎているように思う。最近殊に。
もっとニュートラルな気持ちで臨まないと、自分に返ってくるね。

アンフェア

2006年3月25日 読書
私、ドラマのアンフェア、見てなかったんだけど、
それの原作がこれです。その名も「推理小説」

フジのドラマの天体観測の脚本だったかな、とかやってる人で、
小説家としてはこれが処女作になるそうです。
あとの解説では、シナリオ出身だけどそうは思わせない小説のおもしろさがある、
的なことが書いてありましたが、私としては、シナリオから出た人だってけっこう思いましたよ。
うん、おもしろいけど。
自分でも、というか登場人物であるT.H.に言わせているけれど、
ルールに縛られるわけじゃなく、やりたいようにやっている部分が多い。
それでもおもしろいと思わせるからすごいんだろうけど、
ややエゴの強いとこがあるようにも思う。

ドラマと原作はけっこう違うっぽいね。どっちがおもしろいのかな。
映画公開中のこれを読みました。

あったかい話です。
涙を流しはしなかったけど、ぐっとくる箇所はいくつかありました。
博士とルート、私。3人の静かで穏やかだけどエネルギッシュな生活が、
ありありと感じ取れるかのような小説でした。
ただ、博士と義姉の関係もわかるけど、
でもちょっと言葉が足らないような気もしました。

私の頭の中で、博士はすっかり寺尾總(これ、字違うね)になっていました。
映画の中で寺尾總が着ているスーツは、
宇野重吉のものだって、こないだブランチで言ってました。
私は宇野重吉がどんな俳優さんなのか知らないけれど、
それを母に言ったら「嘘だ?」と驚いてました。
寺尾總よりもずっと小柄な人みたいですね。
だか着られないでしょ、と。でも着られてるよね。
母とそういう話をするといっつも、毎回毎回、
「不思議なものだねぇ。似てくるもんねぇ」と言っています。

映画はいまいちだって噂を聞いたんだけど、どうなんだろうか…

面接力

2005年12月11日 読書
所詮、言い訳かもしれないけど、
面接のために「面接力」だ!
なんて単純にこの本をチョイスしたわけではないんです。
そりゃ、そのためってのもあるけどさ。
コミュニケーション力を高める、ってな感じだったんです、帯に書いてあるんだけど。
私、間違いなくコミュニケーション力って低いと思うんですよね。
だから、試しに読んでみっか、って感じで。

私の頭が悪いのか、なんなのか。
言いたいことはわからなくもない。
なるほどね、と思う箇所もいくつかあった。
けど、全般的に、煮詰まってないというか、なんというか。

ふむふむ、なるほど。で、なにすればいいわけ?みたいな。
「ここまで言ってあげてるんだからなにをすればいいのかくらい、自ずとわかるだろ!」
ってことなんでしょうかね。
なんか、そこらのHow to本の類というか。

別の本買えばよかった。
どうやら画はなさそうだけど。
買ってしまった。この本。
別に、そんなに高くないんだけどさ。

ここのところ、茶道を習おうかと思っている。
ジムは嫌いじゃないんだけど、諸々の理由から今月いっぱいでやめることにしたし。
(けどそのうち、同じとこじゃないにしても行こうと思う)

というのも、
私が陶芸を教わっている先生(おじいちゃん)はお茶もたしなむ人で、
たまにお茶について、雑学程度だけど話してくれることがある。
やはり、一言で片付けてしまうと味気ないかもしれないけど、
「風流」だと思う。
茶の湯はお茶だけで完成した文化ではなく、総合芸術だから、学ぶことも多い。
それに陶芸をやっていると、やはりお茶にいきついたりする。
茶碗は陶器だからね。茶碗も形がいろいろだし、季節によって使うものが違ったりする。
それに、重さもちょうどいい重さってのがあって、
重くても軽くてもいけないわけで、茶碗を作るのはすごく難しい。
私なんて、まさか茶碗に手出しなんてできません。

ま、そんなわけで、和の文化すべてがお茶に通ずるわけではないんだろうけど、
陶芸をやっていても、お花をやっていても、料理をしても、お茶に行き着くと思うのです。
だって、懐石はそもそも、茶道から来ているものだしね。

そんなわけで、ちょっとお茶の本を買ってみました。
といっても、これは茶の湯がどーのこーのではなく、
お茶の時のお菓子の本。
さっすが食いしん坊!といわれそうですが。

これもね、訳があって。
たしかに、お菓子のがとっつきやすいというのもありますが。
葩餅というお菓子、ご存知でしょうか。
はなびらもち、と読みます。
私は未だ食したことはないのですが、
葩餅はお茶席のお菓子で、お餅に味噌餡と牛蒡が入ったお菓子だそうです。
このあいだ、この葩餅の話をおじいちゃんに聞いたんですよ。
「紅ちゃんは葩餅って知ってるか?」ってな具合で。

私の地元に、新進気鋭のというか、今っぽい和菓子やさんがあります。
どうやら、元を辿るとおまんじゅうの卸だったらしいのですが、
今の主人が商売上手というか、時流をうまく読んだというか、
わりと名の知れた和菓子屋にしました。
私も、時々友達のとこにお邪魔するのに、ここのお菓子を買ったりします。

で、この和菓子屋さんのご主人と、
おじいちゃんは前にお茶を一緒に習ったことがあったそうです。
で、「最近、あそこの和菓子屋で葩餅売ってるから、周りの店でも置くようになったけどなぁ」
と話してくれたのです。
・・・けどなぁ、ですから。まだ続きがあるんです。

私も詳しいことは知らないけれど、
お茶席のお菓子、これも季節があるんですね。
たしかに、真冬に柏餅がでてきたらおかいしでしょ。
で、この葩餅というのは、1月のお菓子なんですって。
お正月の、初釜の時のお菓子。
だから、和菓子屋さんでも当然、1月にだけ売るようなお菓子なんです。
「けどあそこの店は、2月になっても葩餅売っちゃってるよ。
売れるんだったらなんでもいいんだなー、売っちまう。
知らない人は珍しいとばかりに買っていく。
けど、知ってる人から見ればそりゃおかしいことだ」とおじいちゃん。
一応、そこのご主人、お茶もやったことがある人みたいなので、
葩餅が1月の、お正月のお菓子だっていうのを知らないことはないんでしょうけどね。

そんなこともあるんだぁ〜と思って。お茶って。
陶芸やってく上で、お茶を知ってて損することはまずないし、
なによりおもしろそうだと思いまして。
けど、本当に奥が深そうです。
お茶を知ることはつまり、お道具を知り、お菓子を知り、書を知り、花を知り、
作法を知り、懐石を知り、茶室を知ることですからね。

なんだか、どっぷり「和」の世界に足つっこんじゃいそうですけど。
同世代というより、2、30歳年が上のお友達が増えそうな趣味ですね、私。
これも素晴らしく、京都の食案内、まさに、という感じ。
京都でおいしいものを食べるのなら、
この本を鵜呑みにすればいいというわけではないと思うけれど、
ガイドブックだと迷ってしまうので、
そういう面で参考になるかと思います。

こういう本を読んでいると、
やっぱり、京都に短期留学したいと思います。2年くらい。

京探訪

2005年12月6日 読書
京都ミーハーな私。
この本がたまたま目についたので読んでみました。

へぇ〜って感じ。
それ以上でもそれ以下でもない。
十分にガイドブックとして役割を果たしてくれよう、という感じ。
京料理の迷宮、と銘打っているけれど
所詮は(なんていうと失礼だけど)自分のお気に入りの店紹介というか、
その店のどれだけの馴染みかを披露しているだけというか。

著者は京都生まれの京都育ちの人らしい。
だからこそ、本当の意味で京都めいたこと、たくさん書いてくれているんだろう、と思う。
けど、京都に生まれ、京都に育っているんだから、
なにもそれをそんなに大そうに言わなくてもいいじゃない、
なんてひねくれ関東人の私は思ってしまう面もあったりする。

著者の意図することは、私には100%ではなかったかもしれないね。
けど、ほんと、ガイドブックとして役に立つと思う。

小さな嘘

2005年11月12日 読書
もうけっこう前に出た本なんですが、今読みました。

ハードカバーですけど、文字量が多い本ではないので
あっさりと軽く読むことができます。
終わり方がとても江國さんらしいと思いました。
最近は特に、こういう終わり方が多い気がします。
私としては、もう少し余韻たるストーリーがあってくれてもいいかとは思いますが。
ま、これはこれで。

瑠璃子とその夫の聡。
どちらかというと、聡はいそうな人で、
瑠璃子は、そういう人ってなかなかいないよね、というタイプの人。
こう、風変わりな人が江國さんの話にはよく出てくるんだけど、
実際いるわけ?なんて思ったりする。

けど、私自身がけっこう風変わりな人だったりするかもなーと思ったり。
世の中、みんな「一般人」ぶっているけど、
けっこう変わった人って多いと思う。
世の中なんて、際どくって危うい人の寄せ集まりで、もちろん私もその1人なんだと思う。

私は、いつも江國さんの作品は、
現実と非現実の間だと思う。
そういう世界観、淡い世界を持った人。
けど、その現実ではない世界というのは、案外現実に存在するんじゃないかと最近思うわけです。

けど、江國さんのお話は、
まぁ、非現実っぽいのに、大概、どこかでガツンとやられるのです。
今回もそうです。あぁ〜そうだぁ〜と思わされるのです。

本当にあっさりと読めるので、
(若干淡白すぎる気もしないでもないですけど)
時間がない時でもどーぞ。
私の中で、新選組はケイゾク中ですよー。
というわけでこちら。
初池波正太郎作品です。
幕末新選組は、新選組結成時からのメンバー
新選組副長助勤 永倉新八が主人公のお話です。

この1年くらいで、新選組に関しては
ゲームもしたし(笑)、本もいろいろ読んだので
大まかな歩みはほぼわかっています。
もちろん、この本も史実に沿ったお話です。
歴史小説なんだけど、シバリョーほど歴史づいていないような気がしました。
というのも、しんぱっつぁん(と私は勝手に呼んでいる)を
池波正太郎は粋で気前のいい、さっぱりとした人物と捉えています。
あとがきにもありますが、新選組の隊士の中で永倉新八への思い入れが一番強いようです。
そのさっぱりとしたしんぱっつぁんのままで話が成り立ってくれていて、
小常や豊浦との色恋沙汰、藤堂くんや原田くんとの友情などが描かれているので
とても人間くさい、親しみのある話になっているからですかね。

個人的には、若干、永倉新八寄りというか、
(主人公なんだから当たり前といえば当たり前ですが)
新八ひいきなところがあるような気もします。
近藤勇との関係が微妙に変わってくる時期があるのですが、
そのくせあっさり近藤さん支持にまわったりとか。
確かにそういうキャラで描かれてはいるのですが、
「おい、新八。気持ち切り替えるの早すぎだよ」みたいなね。

けど、先にも言いましたが、
新八っつぁんの爽快な性格ゆえ、スカッと読みきることができる話でした。
読みやすいし、難しいことを細々書いたりしていないので、入りやすいですね。
池波正太郎というと、剣客商売のイメージが強いのですが、
こういう切り口の書き方なんですかね〜。うまいが一番!(笑)
↑私なりに頑張って電車男っぽくしてみたんですけど。

たすけが前に(ってかなり前だけど)
ネットで読んだって書いてたので、
便乗してネットで読んだことがあったのですが、
こないだ、うちの姉が
「どんなもんだか読んでみよう」と古本屋さんで買ってて、
読み終わったからってことで回ってきました。

やっぱ、ネットで見たほうがおもしろいね。
だって、文字じゃリンク先とかいけないんだもん。

私、映画もドラマも見てないけど、
電車男で一番重要なのは毒男って人たちだろうね。
彼らは当然だけど、なくてはならないキャラたちだ。うん。

エルメスって、本当はどの程度かわいいんだろうね?
って思ったりしない?(笑)
ムーミンに似てて、YOUと国仲涼子を足して2で割った感じで、中谷美紀に似てるって。
どんななんだよ!!
電車男とエルメスは今も付き合ってるのかね〜。
監督が覚せい剤で捕まり、公開が危ぶまれた空中庭園。
読みました。たぶん映画も観に行きます。
あぁ、もうユーロスペースで公開してるのか。
けど今月は行けないなー、なんて言ってると終わっちゃったりするんだよね。

かなり今っぽくて、というか今の設定で、
リアルな感じがして、それはそういうおもしろさで読んでたんだけどね。
だってホテル野猿がでてくるんだよ。
たしか、とんねるずが結成した野猿の名前の由来はホテル野猿じゃなかったっけ?
野猿はこれで、ホテルアンデルセンみたいに「あの!空中庭園の舞台になった!」
なんていうキャッチコピー使うのだろうか・・・

で、そうやって読んでたんだけど。
後半、ラスト。なーんか、あぁこうして終わっちゃうんだー、
っていう感じがしました。
ちょーっと、締まりがないかなーっていう印象。
おまけのおまけなんですが、
文庫で読んだんだけど解説が石田衣良。私、嫌いなんだよね、この人。

読んでて、絵里子はどーしてもきょんきょんになったし、
貴史はどーしても板尾になったし、
さと子はどーしても大楠道代になりました。
そこしかキャスト知らなかったからあとはちがったけど。
ミーナがソニンっていうのはちょっとイメージと違ったかな。
あと、飯塚が永作ってのも。

映画はどうかなー。もしかしらた期待はずれなことには、ならないよねぇ・・・
文庫になったので読みました。
読んで泣いた(正確にいうと、泣きそうになった。電車の中なので留めましたよ)
小説は初めてですね。
でも、ストーリーで泣いたわけではないと、自分で思います。
この小説を読んでいると、やはり梶は寺尾聰だし、佐瀬は伊原剛志だし、志木は柴田恭兵だし。
映画が重なってくるんです。もう観てるんで。
映画が思い出されて泣ける、という感覚でした。

梶があと1年生きるという意味が
当たり前ですが文字で解説されるのでちゃんと理解できた気がします。
だから、志木、佐瀬、植村が梶を守ろうとする意味がわかってきます。
けど、全体の作りからすると、私は映画のほうが好きです。
となると、映画の脚本がいいということになるんでしょうかね。

小説も、もちろんいいんですけど。
たまになんですけどね。ひっかかるものが落ちてるんです。
うーん、ちょっと大げさですけど、急に興ざめさせるものが転がっているというか。
それは文の表現だったりするんですけど。

新聞記者を鶴田真由にする必要はあったのかなぁ。
しかも、役どころがちょっと変わってるし。
変わってるからこそ、鶴田真由にしたのかなー。
映画だと、新聞記者中尾を、小説ほど子細に描くことができないから。

樹木希林のすごさを再確認しました。
小説と映画と、法廷でのシーンがちょっと違うんです。
けど、小説読んでいても、希木樹林は圧倒的でした。

五稜郭

2005年10月4日 読書
燃えよ剣を読破。
上巻よりもさらに、おもしろく読了できました。
funnyではなくて、どちらかといえばinterestingになるのかな。

上巻では、まだ新撰組のお話なんです。
下巻は、土方歳三という人の人生の後半となるわけ、
そうなれば当然なんですが、明治維新、もしくは維新後の話が主になってきます。
伊東甲子太郎を斬り、平助が逝き、薩長同盟が結ばれ、大政が奉還され。
新撰組がより佐幕派になって、新撰組がなくなっていきます。
近藤勇が捕らえられて斬首、沖田総司も逝き。

やはり、小説だから、多少ドラマティックに書かれている部分はあるんだろうと思います。
けど、そこは歴史小説だけに、
フィクションでありながら、まったくのノンフィクションでもないというか。
上巻と同じ感想になっちゃいますけど、史実に基づいての話ですからね。
それを思うと、司馬遼太郎というのは、すばらしい演出家だなぁと思います。
新撰組「副長」の土方歳三という、一歴史上の人物をここまで肉付けして、浮き彫りにさせる。
そこにはやはり、小説でありながらも「史実」であるリアルさが出てきますね。

この本を読むと、新撰組の足跡というのが、わかりやすいです。
どの資料を読むよりもわかりやすいと思います。
私は、大河の新撰組を見ていないので(ダイジェストは見たけど)
そこでは近藤勇や土方歳三がどのように描かれているのか知りませんが、
私が最近読んだ新撰組ものから察するに、近藤勇は決して頭のよい人物ではなかったんですね。
土方歳三がどこまでのキレ者だったかはわかりませんが、
局長の近藤がそういう人物であれば、やはり土方はキレる人だったんでしょうね。

ただ、それも頭のよい、というのとはちょっと違うような。
逆に、頭がよいわけじゃなかったからこそ、こういう歴史を刻むことになったと思うし、
それはそれで彼には最良だったのでは、と思いますが。
新撰組側から歴史を見ても、坂本竜馬はすごいことやりやがる、という人物だし、
薩長はきたねーことしやがる!と映るのですが、
新撰組だって、別に美しい集団だったわけでもなく、きったないマネしやがってたと思います。
結果として時代に逆行したわけですが、それはどこまでもバカだったから、というか、
いい言い方をすれば、どこまでもストイックだったから、ということになるのかな。

現代から見ればなおさらですが、当時にしてみたって、
政権を失った幕府の肩を持ち、銃が主流になった戦でなおも斬り合いをしかけ、
諸国と渡り合おうという時に五稜郭に独立政府を作ろうとしてるわけですから、
かなり時代錯誤な集団だったのかもしれません。
そういうのが、なんていうか、わかりやすいというか、伝わってくる小説でした。
逆行するのがが悪いって言ってるんじゃなくてね。
そういう人たちがいたから、無駄死にした人もいたと思います。
けど、どの人たちにしたって、真剣に日本のことを考えてのことだったんですかね〜。
いや、下っ端はもちろん、上の言う通りに動くだけですけど。私みたいな下っ端は。
自分が属したその集団が官軍か、幕軍か、そんなのは戦うということに違いなんか
なかったのかもしれないけれど、広くみれば、日本の国ために動いたというわけですから。

やっぱり幕末〜明治維新はおもしろいですね。
坂本竜馬も読んでみたくなります。

土方

2005年9月24日 読書
燃えよ剣を読んでいます。
土方の物語です。
そう、これは「物語」です。
全てがノン・フィクションではないんですよ。
つい、こういう話を読んでいると、これがすべて実際の逸話かのように思えますね。
燃えよ剣があったからこそ、幕末純情伝は生まれたんでしょうね。

シバリョーを読むのは、以蔵とこれとで2作品目です。
私、今まで歴史小説にはたいして興味もなく、だから読んでいなかったんだけど、
燃えよ剣、おもしろいね、これ。
新撰組好きなだけに余計だと思いますけど。
歴史上の人物、土方歳三がもっと近い存在に思える。
さすがだわ。うん。
竜馬がゆくにも手を出してしまいかねないですね。

もちろん、史実をベースにしている小説なので、
歴史の勉強にもなるし、人間くさいところがたくさん盛り込まれているので、
とても楽しめると思います。
これがつい150年くらい前の話だっていうんだから。驚きだね。

たけしゃん再び

2005年9月21日 読書
メルちゃんと帰りにツタヤの本屋さんに寄って。
メルちゃんとのデートコースには、ほぼ間違いなく本屋さんが入ってます。
本屋さんは飽きないので。おもしろいよ。
今日は、映画関係の雑誌を見たり、cutも見たし。
あと、ananを冷やかしに行きました。
今回の特集はもてるための技術だかなんだかで。
2人だと冷やかしもできるから、ってわけで、
anan見ながら「こんなのできなーい」とか「ありえねー」など言ってました。
そしたら!「これ探してたんだよねー」とananを購入する女性が。
平積みされているananを、かなり下から取ってました。
そんなに必要な特集には思えないんですけどね。

で、バガボンドの21が出たってことで、買ってみました。
そしたらさ、これ、今日発売なの??
えー、発売日になんか買っちゃって、すっごいバガボンド好きみたいじゃーん。
発売日なんてこと知らずに買ったんですけどね。

第2章に入ったせいか、表紙も背表紙も、タイトルの書体が変わりました。
ブラックジャックとか、20世紀少年とでも書いてありそうな書体です。
さて、読むか。

ひとまず

2005年9月16日 読書
読むときは読むのですが、止まるとはたと止まったりしながら、
読みました、ここまで。
19巻でひっさしぶりにたけしゃんが出てきた。けど17歳のたけしゃんだった。
話はむしろここからですね。

私はたけしゃんが好きで、ここ最近ずっと小次郎話なので、
はやくたけしゃん出てこないかなーと思っています。
この後、どう絡んでいくんだろうなー。
又八はどうなったんだろうなー。

それにしても、この人の絵はすごいなー。
マンガだけど、写実的な要素も強いじゃないですか。
こういう顔した人間はいないかもしれないけど、
パーツが精巧なので、いたとしても不思議じゃない。
だって、ちびまる子ちゃんが現実にいたらびびるでしょ?
それは人間じゃなくて動物でもなく、妖怪じゃないですか。
けど、たけしゃんがこの世にいたとしても(服装は現代で)おかしくないでしょ。
そりゃアシスタントだって当然いるだろうけど、
1話描くのにどれだけ時間を費やすんだろうなーと思います。

今日、モーニングを持ったサラリーマンを目にしました。
表紙がバガボンドだったよ。あー、続きだーと思いました。
まだまだ全然進んでないんだろうな。
私、この話をモーニングで読んでいくのはイヤだわ。
単行本になってからドンと読みたい。
でもまぁ、まだまだ先は長いよね。
ずっとずっと前からこの本の存在は知っていた。
買おうかどうしようか迷ったけど、いまいち手が出ずにいた。
・・・やっと読んでみました。
と言っても、買ってません。図書館で借りました(笑)
まさかこの本が図書館にあるとは思いもせず。
しかもね、ジャンルが美術だったかな?になってて、
大きな図録やなんかと同じ棚にちょこんと鎮座してるのよ。笑えた。

で、これね。
おもしろいといえば、おもしろい。
けどつまんないといえば、つまんない。
つまり、コアすぎるんだよね。マニアックすぎとでも言うか。
著者2人はどうやらけっこうすごい人っぽいし
(いい年して学ランなんか着ちゃってるけど)
そこ此処で特別拝観させてもらってるんですね。
金閣の中に入ってたりもする。
だから普段は絶対に見られないようなとこ、特別公開でも公開しないとうなとこを観て、
それでいろいろと解説してくれているので、非常にありがたいし興味深いところではある。

んだけど、なにせその道の専門分野で生きる人。
それが2人集まっちゃってるわけだから、それこそ深いとこまで潜っていくわけですよ。
でね、その特別拝観した仏像だったりお堂だったりの写真なしで
あれやこれやと話が展開されてたりもするわけ。
そうなるともう、私のようなペーペーにはお手上げですよ。ついてけない。

だから、私には章よって、おもしろいとつまんないの落差が激しかったです。
狩野ゼネコンの話はおもしろかったけど、
どこだったかなー、読んでないから覚えてないけど、
どっかの章の話はぜーんぜんおもしろくなかった。

彼らの話によく、利休が出てくるんだけど、
その辺りの背景をわかってない私としては、
利休関係流し読み、って時もありました。
簡単な背景説明はあるんだけど、それにしては2人とも知識がありすぎるんだよ。
だからついてけなくなっちゃうの。

例えるなら、「オレもスラムダンク、超好き!!」とふってこられて、
「洋平くんたちにけっこう泣かされるよねー」とか
「流川のああいう動きが超バスケっぽい!!」とか
けっこうマニアックな話をしてケラケラ笑ってたけど、
そのうち、「御子柴の身長は何センチじゃん?じゃ、村雨は何センチ??」とか
「大栄学園-豊玉のスコアは??」とか
そういうマニアックな話になってきて、わかんねーってなってしまう、みたいな。
う〜ん、うまい例えじゃないな(笑)

私、京都は好きだけど、やっぱりミーハーな京都好きってことだな。

狂言お作法

2005年9月13日 読書
ぴあからでているこの本。
茂山千五郎家がメインで書かれています。
大蔵流であろうと和泉流であろうと、基本は同じです。
「お作法」なんていうほど形式ばった本ではないので
とっつきやすいです。あえて難をいえば、ちょっと内容がライトすぎる。
もう少し歴史部分に関してのページが多くてもよかったかも。

ある狂言公演のチケット発売日だったんですけど、
公演日が仕事で、どう考えても休めないし、
どう考えても時間までにいけないので諦めました。
あー、行きたかったのにー。
いいさ、いいさ。別の公演、がんばってとるから。

調べてみるまでは全然知らなかったけど、
自分が興味を持って調べてみると、狂言の公演ってけっこうあるもんだね。
歌舞伎なんかもそうなんだろうな。
歌舞伎座で顔見世公演やってるけど、
それ以外の場所でも案外やってたりする。
こないだは、中村勘太郎、七之助さんが鎌倉プリンスでやってたよ。
歌舞伎座で観るよりも若干チケットも安く、初心者は入り安いのかもしれないな、なんて。
歌舞伎座も行ってみたいですけどね。
江國さん的ではあるけど、
初江國として読むべきではないな、うん。
私の常識で考えると、という前置きをしておきますが、
江國さんの話に出てくる人っていうのは、
穏やかそうな顔して(顔なんか見えないけどね)
実はとっても風変わり、という人が多いと思う。
そのくせ、そういう人は江國世界の中ではどちらかというと、
正常な範疇で生活してたりする。

ウエハースの椅子の主人公も、そういうタイプの人間のようだし、
その恋人も、妹も、大学院生も、お父さんもお母さんも
そちら側にいるタイプの人たちなので、
わかんねー!!という人にはまったく理解ができず、
なんじゃ、こりゃ?という世界だったりするのかもしれません。

江國さんの世界は、現実と非現実の間にあるようなところだと、
私は前からずっと思ってます。
この本も、現実だけど、全然現実じゃないところのお話みたいな気がします。

ちょっと癖がある気がするので、好き嫌いが分かれるところかもしれません。

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