私、これを見始めて、是枝作品、好きだなと思った。
誰も知らない、DISTANCE、ワンダフルライフ。
製作の時期からすると、さかのぼって観ていることになるんだけど、3作品とも好きだー。
幻の光も観てみようと思う。
今まで観た3作品の中で、これが一番好き。
というよりも、私の好きな映画5本に入るくらい、大好き。
これ、DVD買います、私。

描いているのは、死後の世界。
と行っても、死んでから、いわゆる「あの世」「天国」に行くまでにある
7日間の出来事のお話。
だから、ある種メルヘンの世界とも言えるけど、そうでもなくて。
現実じゃないけど、現実みたいな、不思議な空気感を持った、穏やかな作品です。

原ひさ子さんが桜の花びらをね、渡すシーンがあって。
そこでね、あーと思って涙がでてきたんだけど。
そういえば、原ひさ子さん、最近お見かけしないけど、お元気だろうか。
で、そのシーンのあとね。
たぶん、そういう決断をするんじゃないだろうかと思ったんだけど、
やっぱり望月くん(ARATA)が決断をして。
悲しいとか、感動とかじゃなくて、切なくて泣いた。

こんなに穏やかで儚くて切ない映画、ほかにはないだろうな。

自分が死んだら。死んだらどう選ぶだろう。
松本さんが生前、「生きた証」をよく口にしていたけれど、
私も自分が生きた証になにができるだろう、というのはわりとよく考える。
世紀の大発明ができるわけでもない、政治家になれる力もない、
世間をあっと驚かせるものを残せるわけでもない、
誰かの心に残る映画や歌や小説を作って届けることもできない、
ただの平凡な人生を送るであろう私に、
生きた証ってなにが残せるだろうって。
けど、うちの父や母が生きた証は、ある意味、私なんだろうなと思うと、
私の生きた証は父や母が生きた証として生存することだったりするんだろうとも思ったり。

そういうことを考えさせてくれる映画です。秀作。

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