宝生

2005年7月28日 狂言
さてさて、今日はいよいよ能楽堂での狂言デビューデイ。
狂言風に言えば、能楽堂鑑賞を披く、とでも言おうか。
わざわざ半休をとってしまった。
定時にあがればギリギリ間に合いそうではあったけど、
定時にあがれる保証がないので。

半休とったらちょっと時間に余裕ができたので、美容院へ行く。
いつものことながらひさしぶり。
美容師さんが異動になってしまったので、初めて行くお店ではある。
本当ならば、パーマもカットもしたいろころだけど、
さすがにそんな時間はないので、今日はカラーのみ。
落ち着いた色になる。満足。
お店が変わったからか、ずっと担当の美容師さんがやってくれた。
そんなの当たり前かもしれないけど、前の店にいたときは、
忙しいのか、ロットを巻くのは別の人に頼んだり、
カラーを塗っていくときは別の人に頼んだりというのがよくあった。
15時に予約して、実際にカラーリングにとりかかったのは15時半くらい。
その間30分、どうしたい、という会話はしたけれどあとは待たされてて、
時間に余裕ないって言ったのに、と私もイライラしてたから、
美容師さんが来るなり「時間どれくらいかかりますか」と不機嫌そうに言ったから、
気を遣ってくれたのかもしれない。
でも、担当者の人がずっとやってくれるのが当然だと思うんだけどね。
ましてやいつも予約して行ってるんだから。
無理だったら予約の段階でその時間は無理ですって言ってくれたほうがありがたい。

17時までに終わらせてほしいといったら、本当に17時5分前に終わらせてくれた。
おかげで余裕をもって次の行動に移すことができる。
次なる目的地は水道橋。本日のメインイベント。
野村狂言座の公演が宝生能楽堂にてあるのです。
途中、新宿に行って、32歳ガン漂流を買う。
ちょーど、水道橋に着いたとき、31歳のほうが読み終わった。

水道橋に下りると、今日は巨人戦のため帰りが混むから切符は買っていけよ、
というアナウンスが流れてる。そっかー、ナイター客と同じ電車にはなりたくない。
帰ってきて知ったけど、おまけに今日は阪神戦。人の多さはいつも以上のはず。
結果としてナイター終了よりも早く、こちらの公演のほうが早く終わったので、
混雑に巻き込まれることはなかったけれど。

宝生能楽堂に着く。平日だってこともあり女性客が7割くらいかな。
おばはんもいれば、けっこう若い子というか、私と同じ年代の人もいる。
1人で観に来てる人もかなりいる。
私の席の周りの人はシングルプレイヤーが多かった。私も含め。
席は脇正面なんだけど、予想していた通り、前から3番目。能舞台が目の前。
能舞台って、知ってる?
向かって左から舞台にかけて、橋懸という廊下みたいなのがあって、本舞台がある。
その本舞台に正対するのが「正面」席。
橋懸から歩いてくる役者と同じ方向を向くようにして座る、
つまり本舞台に向かって左側から観るところ、それが「脇正面」
正面と脇正面の間が「中正面」という席になっていまして。
脇正面とはいえ、ほんと、すぐそこが舞台。
ほんの数m先で狂言が演じられてて、いい迫力でした。

狂言って観たことある?
なにもずっと正面向いてやってるわけじゃないのよね。
脇正面を向いて演ずることもしばしば。
だから、萬斎さんと向き合う(ということにしておく)こともしばしば。
すてきな喉仏だった(笑)

今日、地震あったでしょ?また。
ちょうどその時、狂言鑑賞中だったの。
観客も騒いだりはしなかったけど、ちょっとざわっとしたの。
その時、万之介さんと万作さんが演じてて、
ちょうど万作さんが話してる時だったんだけど、
お二方ともぴくりともせず、何事もなかったかのように事は進みました。
プロだなーと、思ったり。

今日の演目は「舟渡聟」「菊の花」「鉢叩」だったの。
鉢叩はたくさん人が出る狂言で、萬斎さんもだけど、
最後に裕基くんがでてきたのね。
靭猿の特集見た時はまだ3歳で、よちよちしてたけど、
あれから考えたら今は5歳くらいなのかなー。
それでも細っちくて、ちっさかった。
ほんとにあの子、細いよ。もやしっ子だよ。
けど、かっこよくなりそうな顔してきたなーって思ったよ。
彼も、狂言師になるのかなー。
いろんな演目を「披く」時に立ち会えるとしたら、裕基くんだからなー。
あんな小さかった子がね〜と、30年後言えるようになるだろうか。

萬斎さんは、狂言のことをなにも知らない私が言うのもなんですが、
狂言師としていい時期じゃなかろうか。
本を読んでる限りだと、狂言師も、年齢や経験によってできる役があったりする。
厳密に「○歳じゃなくちゃやっちゃいけない!」というのがあるわけじゃないみたいだけど、
それに値するだけの幅が必要だし。
かといって、万作さんならなんでもできるというわけじゃなくて、
若めの役となるとやっぱり他の人がやることになるだろうし。
萬斎さんは、いろんな目で見て、今が多様な役ができる時期じゃないかと思う。
狂言師として、潤沢というか。
鉢叩はね、たくさん人がでるんだけど
やっぱり萬斎さんの声が一番通る声だった。きれいだし。
これが狂言の家に産まれて育つってことなんだろうなーなんて、
漠然と思ったりもしました。

堪能できたなー。おもしろかった。笑ったし。
千之丞さんが、狂言は現代の演劇です、みたいなこと書いてたけど、
本当にそうだなーと思いました。
伝統芸能、というよりも、今の時代に生きてる芸能だと。
鉢叩は揺があるんだけど、私、つい一緒に手拍子しそうになっちゃったよ。

また来月、能と狂言を見て、
次は11月くらいになるかなー。がんばってチケットとろうっと。

 
20時半ごろに終わって、どう廻りで帰ろうかなーと思ってたら、
「携帯いじってるとこ悪いんですけど」と声掛けられて、
誰かと思ったら、知らないサラリーマンだった。30歳くらいの。
一緒にご飯を食べに行こうと誘われた。
まさか水道橋で声掛けられるとは思ってもみなかったわ。
30分でいいから、って30分で済むわけないじゃん。
今日はうなぎの日だよって近くにうなぎ屋あるのかよ?
とか言いつつ、実は「ごはんくらい、ついてってもいいかなー」と
ちょっと思ってたりもしました。
別にそのリーマンはかっこいいわけじゃないですけどね。
でもおごってくれるんだし、とかね。
じゃ、なんで行かなかったのかというと、
私なんか声かけないでもっとかわいい子に声かければいいじゃん、と思ったからです。
今日、美容院帰りだから、髪つやつやだから、
それに惹かれてつい声かけちゃったでしょ?と。
顔見てガッカリしちゃったでしょ?と。
チャンスをください、ちょっとだけ、とか言われたけど、
んなこと思ってないくせにー、と思いながら丁重にお断りしてきました。

それにしても、また「学生さん?」と聞かれたんだけど。
私、そんなに学生に見える?けっこういい年だよ?もう4年目だよ?
いいんだか、悪いんだか。ねぇ〜。

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