しんぱっつぁん

2005年5月11日 読書
新撰組の近藤勇は板橋で斬首。土方歳三は箱館にて戦死。沖田総司は病死。
とまぁ、激動の時代を生きた人たち。その最期もいろいろ。
そんな新撰組の中でも往生した人もいるわけで、
その中の1人、永倉新八の聞き書きによる書物がこれ。

池田屋事件とか、油小路の変だとかを実際に経験した人の話が
こうして書物になっていると考えると、
江戸はそう遠くない時代だと改めて感じる。
つい150年くらい前まで腹斬って死んでこそ武士だったんだから。日本人って恐ろしいね。
永倉さんも、仲間の誰だったかな?矢口さんだったかな?(テキトー)
が、銃弾に当たって即死したのを、彼の首を斬って持って運んで、
どこかのお寺に葬ったって書いてあった。
そんな経験を持った人物が大正の時代まで生きていたんだから。
武士の時代、斬り捨て御免の時代なんてそう遠い昔じゃないよね。

この本は著者が永倉新八にはなっているけど、あくまで聞き書き。
聞き書きっていうのは、永倉新八が話したことを聞き手が書くってこと。
で、この聞き手っていうのが永倉さんの息子なもので、
多少、永倉自慢めいたところもあるっちゃあるけど、そりゃしょうがないことだね。
永倉さんとて、72歳だかの時にこれを書いてるわけで、
新撰組の頃からは恐らく30年以上が経っているから、
記憶だって覚えろげになったりしてる部分もあるんだろう。
実際、研究からわかった史実とは異なる部分もあるらしい。
でも、やはりその場にいた人の話っていうのは、
研究者の視点とは違うから臨場感がありますね。
脱走した山南敬助を連れ戻したのが沖田だっていう記述は
この新撰組顛末記にしか書かれてないんだって。
新撰組の人しかわからないもんね、そんなこと。

この顛末記と一緒に、何人かの研究者の記述も共に記されてて、
誰かの文面に、時代が変わろうとも頑なまでに公武合体派として動いた新撰組は
悲劇を通り越して喜劇とさえも言える、
みたいなことが書いてあった。
そりゃね、後生の私たちから見ればね、「ありえねー!」ってことたくさんあるよ。
割腹もその1つだし。
途中、新撰組は近藤たちから伊東たちが分かれて、御陵衛士になるんだけど、
佐幕の新撰組も、勤皇思想の御陵衛士も、今考えれば時代の流れにが逆行してた人たちだし。
でもその時代を生きた彼らは、その時その時を懸命に生き抜いてたんだもんね。
毎日が一寸先は闇。斬るか斬られるか。
なにも新撰組に限ったことじゃないけどね。そうやって生きた人っていうのは。

庶民にとって、その時代の日本が生きやすい時代ではなかったと思うけど、
日本のために、それが意見が違うとしても、全力で突っ走ってた人はたくさんいた。
今の日本は、ねぇ〜。郵政民営化に躍起になったりね。
他にやることあるだろ、って感じだな。

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